KU 神奈川大学 工学部

二度の留学を経て海外の大学院へ 星 貴仁(機械工学科)

僕は学部時代に二度の留学を経験しました。まず一度目は大学二年の春休みに推薦語学研修という大学の制度を利用してオーストラリアのシドニーにあるシドニー工科大学で約一か月半英語を学びました。短期の語学研修でしたが、毎日英語を使って楽しく授業に参加し、現地の学生や他の留学生とコミュニケーションをとったり、空いた時間は観光地をまわったりするなど初めてのシドニーを満喫しました。僕自身、それまでは留学に関して何か強い思いがあったわけではなく一度外国に行って視野を広げてみたいという軽い気持ちで参加したのが正直なところでしたが、今となってはこのシドニーでの経験がひとつ人生の分岐点になったと感じています。

パブでの食事風景

シドニー留学がきっかけで海外の文化や慣習、そして様々なバックグラウンドを持つ人々と意見を交換する楽しさを知り、また将来社会に出た時に他の人にはない自分なりの武器が必要だと考えるようになりました。そしてそれが僕にとっては語学力と柔軟な考え方をもつということでした。そこで神奈川大学三年次修了後、一年間大学を休学しイギリス南部にあるエクセター大学に約10か月間、二度目の留学をしました。大学の交換留学制度を使って留学する選択肢も勿論ありましたが、幅広い選択肢の中から行きたい大学やコースを自由に選ぶことができるということもあり、僕は休学留学という選択をしました。その際は英語だけではなく英語と専門科目の両方を学べる学部聴講というコースを選びました。前半は大学所属の語学学校で英語を学ぶコースに所属し、多国籍の留学生が集まる中で授業を受けました。1クラス15人程度で一日4~5時間リーディングやリスニング、ライティングそしてスピーキングと基礎科目を勉強しました。毎日のようにあるグループごとのディスカッションや定期的に行われるプレゼンテーションなど、日本ではあまり無かった経験をしはじめは戸惑いもありましたが、自分の上達を感じ、まただんだんと授業に積極的に参加できるようになり、いつしか授業は楽しくまたクラスメイトとも仲良くなることができました。そして後半の約4~5か月間は現地の学生と一緒に僕の専攻である機械系の授業を数科目受けました。講堂で教授の授業を聞く日本の大学に近いスタイルの講義に加え、チュートリアルという演習の授業や、ラボワークという実験を行う授業もあり、日本の大学の数倍は忙しい印象でしたが、その分授業内容も濃く密な時間を過ごすことができ、非常に有意義な10か月を過ごすことができました。

サグラダファミリアにて

ロンドンアイから撮影したビックベン

イギリスの留学生活の前半は大学キャンパス内にある学生寮に滞在していましたが、施設はきれいで家具一式揃っていたため特に問題なく生活できました。また、後半は自ら物件を探し友人と三人で一軒家を借りシェアハウスをしました。外食も定期的にしていましたが基本的にはスーパーで食材を買い自炊することが多かったです。物価が高いイメージがあるイギリスですが野菜等の食料品は比較的安く、また多くの種類の冷凍食品があり、さらにアジアンマーケットというアジアの食材や調味料を売っているお店で米や日本の調味料を調達していました。

イギリス留学中の休みにはなるべく旅行するようにしていました。まず土日等を利用してイギリス国内の旅行をしました。特におすすめは現在僕が滞在しているスコットランドです。イギリス北部に位置し気候は北海道に似ていますが雪はあまり降らず気温ほど体感は寒くはありません。また、多くの歴史的建造物とモダンな建物が町中にあふれていて個人的に好きな街の一つです。留学中に2度ほどあった長期休みには、イギリス国外へ行こうと考え、スペイン、イタリア、エジプトに行きました。イギリスからヨーロッパまでの格安航空券は非常に安く、また飛行機で1~2時間程度で行くことができ、日本ではなかなか得られない非常に貴重な経験ができました。

最後になりますが、はじめは興味本位で行った短期留学の経験が長期留学、そして現在の海外大学院進学につながるとは自分でも思っていませんでした。僕にとって留学経験は単に語学の上達や海外の文化に触れることができただけでなく、自分自身が成長し夢や目標を持つきっかけになりました。経験するすべてが初めてで苦労もありましたが、やりがいや達成感の方がより大きく感じられました。何か少しでも新しくやってみようと思ったきっかけが後々いろいろなことにつながり興味も可能性も拡がっていくので、皆さんも思いは胸に秘めずにぜひ挑戦してみてほしいと思います。